言葉の「正しさ」では人の心は動かない
「コミュニケーションの目的は、最終的には、自分を理解してもらい、相手の行動を引き出すことにある。だが、理論武装をして相手を説得しようとしても意味がない。“論破”はできるかもしれないが、相手の心はより頑なになり、お互いのメリットになるような行動を促すことは難しい。
人は「あの人に付いていこう」と思うとき、その人が「何を言ったか」ではなく、その人が「どういう人物か」で決めている。仕事やプライベートで自分の意見を尊重してほしいと思うなら、まずは「付いていきたい」と思われる人物になることを目指そう。普段から、周囲の人と良い人間関係を築いておくことで、初めて正しいことを「正しい」と認めてもらえる。敗戦必至の厳しい状況でさえ、黙って運命を共にしてくれるようになる。
結局、自分を理解してもらうために必要なのは、いかに普段から相手を尊重し相手に寄り添っているか、いかに相手の目線で世界を見ようとしているかに尽きる、ということ。ケンカをしていたり、気まずい関係の人がいたら、「相手に自分はどう見えているのか」を考えて見よう。自分という人間がどんな印象を与えていると思うのか、書き出してみるといい。どんな振る舞いをすれば、関係を改善できるのかが見えてくる。
相手の立場で人間関係を考えることは難しい。だが、それこそが、人との繋がりを深くする本当の近道だ。」
完訳 7つの習慣 人格主義の回復: Powerful Lessons in Personal Change
- 作者:スティーブン・R・コヴィー
- 発売日: 2014/05/23
- メディア: Kindle版